巷（ちまた）では多くの精力剤が出回っていますが、その中でどれが一番自分に合い、目的とする効果が得られるのかが難しいところです。また、最近では「エビオス錠」が精力剤のカテゴリーで息を吹き返しているところです。４０歳代より若い方はご存じないでしょうが、「エビオス錠」は単なる整腸剤の医薬部外品で、その以前は子供たちにとっても麦芽原料ということで売られていた製品です。
今もなお、その効能効果には「整腸作用」しか書かれていません。それがなぜ一般の他の精力剤と同様に服用されているかというと、成分に「亜鉛」が微量入っているからです。亜鉛成分は男性機能、特に勃起障害にはある程度効果があるとされている成分ですが、それが微量配合されているので、一般に精力剤目的で使用されているものと考えられます。これだけ世間で「エビオス錠」が精力増強に役立つといわれる一種の都市伝説的な内容になります。
製品自体が整腸剤ですので、副作用も少なく、内臓系の不快感が解消されることで、二次的に勃起障害が若干克服されることはあるかもしれません。しかし、一般にちゃんと「精力剤」として発売されているものより当然効果は落ちることになると考えられます。「エビオス錠」はアサヒビールの子会社で「アサヒフードアンドヘルスケア」という会社が発売しているので安全は確保されているものと思いますし、発売後５０年以上は経過していますから問題はないのでしょう。しかし、精力剤以上に精力増強効果が期待できるのであれば、今の世の中、そちらに向けた研究をしてきたはずですが、その欠片も見られないことは、やはりそうした効果は「プラセボ効果」というしかありません。
なお、この「プラセボ効果」とは、たとえば全く薬理的に効果がない「乳糖剤」を被験者に、『これは頭がよくなる新薬ですよ』と、もっともらしい説明を加えたのち、数か月服用させた場合、知能指数が若干上昇するという、「偽薬効果」ともいわれる作用です。では、実際にこのエビオス錠を精力剤として飲んでいる人、または飲んでいた人の感想を口コミから拾うことにします。
エビオス錠服用体験談について
ここでは、ネットで検索した「エビオス錠」体験談を比較的分かりやすい言葉でまとめてみました。
ケース１：男性32歳の場合の口コミより、このケースは３年間「エビオス錠」を１日１０錠～１５錠飲み続けた結果、ある程度の効果があったという口コミです。これほどの大量摂取を行い３年間で３万錠から４万錠の服用になりますが、それで効果があったという話です。特にこの口コミでは、「夜食を食べても胃もたれしなくなった」とか、「風邪をひきにくくなった」とかいう効果も同時にあげられていました。
一番目の「胃もたれしなくなった」というのは、まさしく整腸剤である「エビオス錠」の効果であるわけですからもっともなのですが、これで３年間精力増強剤としての役割に対して効果があったと言われるのも問題かなと感じました。この口コミの冒頭で、同氏は、はっきりと「自分は精力が強い方で、１日に２～３回自慰行為が可能である」ということを言われたのち、「エビオス錠」の効果効能を書き綴られていました。この例では、ご本人自身がそもそも精力過多気味であったのが、体調がよくなったために精力が増強されたと勘違いされているように考えます。
ケース２：男性51歳の場合の口コミで、「エビオス錠」の大量多数回服薬が辛いと書かれ、同成分で新しく発売された1日1回15錠の服用が可能になった「スーパービール酵母Z」に乗り換えたという経験談。同じアサヒフードアンドヘルスケアの製品だということで、副作用の心配はないようですが、やはり「エビオス錠」であればその服用が物理的に苦しいと訴えられています。そのため乗り換えたサプリメントも1日1回に放ったものの、15錠を一気に飲むことになっているようです。これが良いのか悪いのかはわかりませんが、1日3回の苦痛から1日1回の苦痛に「ましになった」だけだと思えるのは私だけでしょうか。
ケース３：男性58歳の場合の口コミでは、同投稿者は子供のころより「エビオス錠」に慣れ親しんできたが、精力増強の効果があると噂で聞き、再度始めたそうです。しかし、3か月以上服用しても何の効果もなく、ただ「エビオス錠」の独特の匂いとの戦いだったと書かれています。ビール酵母の発酵が原理で作られた製剤ですから当然と言えば当然ですが、あの異臭に近い匂いに閉口されていた内容でした。
一般精力剤とエビオスについてのまとめ
上にも記載しましたが、ある程度の「偽薬効果」もあって、「エビオス錠」を購入し続けている方々も多く、副作用のないことから継続していると思われますが、その目的とする「精力増強」には直接影響されません。かえって、一般で市販されている【ヴィトックスα】や【GIMURIS】、マカ×シトルリン×クラチャイダムの活力サプリ【マカエンペラー】といった陰茎そのものに対して増大効果を打ち出している精力増強剤の方が直接効果があってよいという結論になります。