ここでは、成人男性なら全ての人が持っている勃起機能について詳しく紹介したいと思います。この機能に障害や不具合を持たれて悩まれている方々も多いと思います。勃起そのものの仕組みを理解しその治療や療法について知ることは、自身のセックスライフだけでは無く、人生そのものを幸福にすることにつながると思います。以下に、各々詳しく述べていますので参考にしていただければと存じます。
なぜ勃つのか?勃起の仕組みについて
まず、勃起の種類を見てみたいと思います。勃起の種類と言っても1つしかないんじゃないかと思われるかもしれませんが、その機能を成り立たせる道筋に種類があるという事で、勃起そのものの現象は全く同じです。言わずと知れたことですが、「勃起」とは、陰茎、ここではペニスと言う事にしますが、それが硬くなって勃(た)つ生理現象のことを言います。
一般的に成人男性のペニスは、通常7~8センチくらいの長さになりますが、勃起をすると10~12センチほどに膨張します。また、勃起したときは、ペニスだけでなく「陰嚢」や「精巣」も上に上がってきます。今更だと思いますが、本記事をお読みの方は男性が圧倒的に多い事を考えますと、文字にする必要もないことで、経験上でも理解できることだと思います。
勃起には2種類のパターンがあり、1つは心理的な刺激による「中枢性勃起」です。中枢性勃起では、「女性の裸体を見たりエロティックな想像をしたりするなど、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、想像 によって大脳皮質が興奮し、その興奮が脊髄の「勃起中枢(中枢神経)」に伝わって勃起が生じます。」という定義が医学的になされています。
更にもう1つは、「物理的な刺激によって勃起する「反射性勃起」です。この場合は、ペニスに触れたり、乗り物などで微妙な振動を受けたりするなど、物理的な刺激を受けることで反射的にペニスの「陰茎海綿体」が血液で満たされ、勃起が生じます。」という種類の勃起が定義されています。この二種類の刺激により勃起は発現します。
勃起の仕組みについて
上に書いたように、勃起が2種類の刺激によって2WAYで発現すると書きましたが、ではもう少し詳細に見たいと思います。「勃起の仕組み」でも書いたように、男性が受ける性的な刺激によって、大脳辺縁系が神経興奮すると、その神経興奮は脊髄を通って勃起中枢に伝わります。
このスピードは個人差が有り一概には言えませんが、いずれの場合も、ゼロコンマ何秒の速さで伝達されます。さらにペニスの陰茎海綿体の神経に神経興奮が伝達され、陰茎海綿体の中で「一酸化窒素(NO)」が放出され、血管や筋肉に作用し、「サイクリックGMP(c-GMP)」という物質が増加します。このc-GMPが増加すると、陰茎海綿体の筋肉が緩んで血管が拡張し、血液が大量に流れ込むので、スポンジ状の組織である陰茎海綿体に血液が充満することになり、勃起が発現することになります。
一方、海綿体に血液が流れ込んだだけでは「勃起」を持続することができません。ある程度以上の血液が陰茎海綿体に流入すると、陰茎海綿体の静脈が圧迫されて塞がります。これにより、血液の流出が防がれ、勃起を維持できるようになります。つまり、動脈の拡張により大量の血液が静脈の収縮により出口を塞がれた状態が持続するのが勃起の持続になります。
勃起障害や勃起不全(ED)について
長々と勃起に対する仕組みやメカニズムについて説明しましたが、「勃起障害」や「勃起に関する不具合」を考える上で非常に重要なことなので、詳細を記載しました。このように、正常な勃起を促すためには、第一に、性的な刺激を感じる「脳」があります。第二に、脳で受けた刺激を伝達する「神経」、第三に、陰茎海綿体の血流を確保する「血管」、第四に勃起状態を維持する「陰茎海綿体(ペニス)」。以上の4つの器官(脳、神経、血管、海綿体)の機能が正常であることが必要条件になります。
ED治療薬の医療用医薬品で代表的な薬剤と言えば、バイアグラ(R)(一般名:シルデナフィル)がありますが、この化学物質はそもそも高血圧治療薬の開発を目的に臨床試験した結果、多くの副作用として「勃起」が発生することが判明しました。また、身体全体の血圧に関しては、予測したよりも効果が上がらず、逆に「ED治療薬」として開発方針を変えたものです。
その結果、陰茎海綿体の中にある動脈血管の拡張には陰茎独特、つまり部位特異性のあるレセプターがあり、シルデナフィルが特異的に作用することが判明した次第です。勃起関係とは異なりますが、同じように高血圧治療薬として開発中に副作用として多毛が頻発した「ミノキシジル」が、唯一FDAや厚労省が認可した毛生え薬となり、「リアップ(R)」の名称で販売されているのはご存知の通りです。
話は戻りますが、このED治療薬は血管特異性があり、勃起機能の仕組みである4つの要素の内1つの「血管」に作用するだけのもので、その他に障害があれば効果は期待できないということになります。そのような場合には、一般で市販されている精力増強サプリメントが期待できるようになります。漢方薬でも同様の効果を表示しているものもありますが、経験上効果が低く、長期服用しなければならないのが難点と言えば難点です。現在発売されているサプリメントに関して改めて再評価しても良いと思います。